
薄場事務所 永井 友美子
2026年3月20日
公正証書のデジタル化③ / 判例紹介:家賃債務保証契約における無催告解除条項等の有効性
/ コラム ― ラジオの時間―
ご挨拶
先日、近所にある梅林公園に梅を見にいきました。ピンクや白色の梅が八分咲きくらいで、とてもきれいでした。
毎年、このような景色が見れることを有難く思います。
さて、今年も様々な法律の改正が行われております。
不動産登記では、2月2日から、不動産所有者記録証明制度が開始されております。
これは、被相続人が所有する不動産の一覧を、法務局で証明書として取得できるというものです。
これにより、相続での不動産登記漏れを防ぐ効果があります。
また、4月1日からは、住所・氏名の変更登記が義務化されます。
住所・氏名に変更があった場合は、2年以内に登記申請をする義務を負うこととなります。
商業登記では、2月2日から、これまでできなかった土日祝日を会社設立日として指定することが可能となりました。
以前は、記念日等を会社設立日にしたくても、その日が土日祝日であればできませんでしたが、一定の要件を満たせばできるようになりました。
その他、民法では離婚後の共同親権や法定養育費制度等も4月1日より施行されます。
今後も、法改正等ありましたら、法エールの手続き紹介にて随時情報提供させていただきます。
それでは、今月の法エールもよろしくお願い致します。
(代表社員 井上 勉)
公正証書のデジタル化③
前回は、公正証書のデジタル化の概要についてご説明しました。
今回は、公証役場に出向かずにリモートで公正証書を作成する場合の手順についてご説明します。
まず、リモート作成を利用できる条件は、
①嘱託人の申出、
②他の嘱託人に異議がないこと、
③公証人が相当と認めること(公証人が、ウェブ会議を通じて嘱託人の本人確認や意思確認、判断能力の確認が問題なく行えると判断した場合)、
④法律上リモート作成が認められている
ことなどの法定要件を満たす必要があります。
また、対面で電子公正証書を作成する場合と異なり、嘱託人側において、リモート会議への参加や電子サインが可能な機器を用意する必要があり、
かつ、パソコンを操作して公証人から送信される電子サイン依頼を受信し、PDFファイルを画面上共有して電子サインをしてもらわなければなりません。
リモートで使用する機材ですが、パソコンのみで、スマートフォンやタブレットは利用できません。
また、カメラ、電子サイン用機器(タッチ入力対応ディスプレイと電子ペン等)が必要になります。
リモート当日は、公証人が、免許証等にて本人確認を行い、公正証書の読み上げを行います。
内容に問題がなければ、電子データに、嘱託人が電子サインを行います。
その後、公証人が、電子サインと電子署名を行い、原本が完成します。
公証人は、電子正本や電子謄本を作成して、クラウドにアップロードします。
嘱託人は、それをダウンロードすることになります。
リモートの手続きのご説明は以上になります。
今回は、リモート手続きのご説明でしたが、対面でもこれまでとおり手続きはできます。
さらにリモート手続きも可能となったことで、公正証書の作成がさらに便利になりました。
当法人でも、ご依頼者の方で必要な方には、リモート手続きのご説明を積極的に行って参ります。
判例紹介
家賃債務保証契約における無催告解除条項等の有効性
(最高裁判所令和4年12月12日)
【事案の概要】
本件は、消費者契約法2条4項に定める適格消費者団体である原告Xが、家賃債務保証業者(連帯保証人)である被告Y社に対し、
Y社が使用する賃料保証契約書中の各条項が消費者契約法10条にいう「消費者の利益を一方的に害する条項」に該当するとして、
同法12条3項に基づき、当該条項を含む契約の申込み・承諾の差止め等を求めた事案である。
問題となったのは、
①賃借人の賃料不払が一定額に達した場合に、連帯保証人が無催告で賃貸借契約を解除できるとする条項、
②一定の不払・連絡不能等の事情がある場合に、連帯保証人が賃借人の明渡しがあったものとみなすことができるとする条項である。
(消費者契約法)
第2条第4項この法律において「適格消費者団体」とは、不特定かつ多数の消費者の利益のためにこの法律の規定による差止請求権を行使するのに必要な適格性を有する法人である消費者団体(消費者基本法(昭和四十三年法律第七十八号)第八条の消費者団体をいう。以下同じ。)として第十三条の定めるところにより内閣総理大臣の認定を受けた者をいう。
第10条消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。
第12条第3項適格消費者団体は、事業者又はその代理人が、消費者契約を締結するに際し、不特定かつ多数の消費者との間で第八条から第十条までに規定する消費者契約の条項(第八条第一項第一号又は第二号に掲げる消費者契約の条項にあっては、同条第二項の場合に該当するものを除く。
次項及び第十二条の三第一項において同じ。)を含む消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示を現に行い又は行うおそれがあるときは、その事業者又はその代理人に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為に供した物の廃棄若しくは除去その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。ただし、民法及び商法以外
の他の法律の規定によれば当該消費者契約の条項が無効とされないときは、この限りでない。
【裁判所の判断】
裁判所は、上記①②の各条項はいずれも、消費者契約法10条に規定する「消費者の利益を一方的に害する消費者契約の条項」に該当すると判示し、Xの請求を認容した。
すなわち、①の無催告解除条項については、連帯保証人が賃料債務を履行した場合であっても、賃借人にとって重大な不利益を伴う契約解除が広く可能となる点で、信義則に反し消費者の利益を一方的に害すると判断した。
また、②の明渡しみなし条項についても、賃貸借契約が終了していないにもかかわらず、賃借人の使用収益権を事実上一方的に制限する結果となり、法的手続を経ない明渡しを可能とする点で、同条に該当するとした。
【コメント】
消費者契約法第12条は、少額でありながら高度な法的問題をはらむ紛争が多発する消費者取引の特性に鑑み、同種紛争の未然防止・拡大防止を図って消費者の利益を擁護することを目的として、適格消費者団体が事業者による不当な行為を差し止めることができる旨を規定しているものです。
家賃債務保証業者に解除権や明渡しみなしを広く認める条項は、賃借人の居住の安定を著しく害するおそれがあり、今後は契約条項の設計段階で、消費者契約法10条との関係をより慎重に検討する必要があることを示唆する判例といえます。
コラム
― ラジオの時間―
以前は圧倒的にテレビを見る時間が多かったのですが、最近はラジオを聴くことも増えてきました。
テレビは視覚、聴覚両方から情報が入ってきて、その情報量が魅力でもありますが、
悲惨なニュースや、ゴシップなどあまり心地よくない情報も大量に流れてくるので疲れる時があります。
一方、ラジオではそういうニュース等は少ないですし、地元ローカルラジオ番組を聴いていると、
地元の身近な情報を知ることができたり、リスナーさん同士のつながりや、M C の方との交流など人と人との距離が近い感じに和みます。
ひと昔前は「ラジオは終わった」などとも言われていましたが、最近の純正品カーナビなどでは運転中にテレビやD V Dの映像等を見ること自体出来なくなっているそうです。
また、W B C では地上波放映が無く、有料動画配信サービスを除き、リアルタイムではラジオでしか情報が入ってこないとかもありましたので、
今後はますますラジオを聴く人や機会は増えていくのではないでしょうか。
(薄場事務所 永井 友美子)
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