
薄場事務所 井上 史織
2026年2月20日
公正証書のデジタル化② / 判例紹介:株券発行会社における株券発行前の株式譲渡についての当事者間の効力 / コラム:最近の推しは山都町です
ご挨拶
先月は、私が20日ほど入院しまして、多くの皆様にご迷惑をおかけしました。誠に申し訳ありませんでした。現在は、病気も完治し、仕事を再開しておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
私は、20日もの長期間入院したことがなかったので、今回の入院では初めての体験がいろいろとありました。入院した部屋は4人部屋で、数日で同部屋のメンバーが手術、退院等で変わっていったのですが、いろいろな病気で入院されているので、知らない病名がいくつも出てきました。
隣の方が血圧を測っていたときに、初めて聞くような高い血圧の値がでていて、こんなに高くても意識ははっきりしているんだと驚きました。
また、高齢男性の方で、耳が聞こえず、視力もほとんどない方が入院された際には、配偶者の方が付き添いで来られました。
配偶者の方から私に、これまでの夫の病気のお話をされたのですが、苦労が絶えないといいつつ、夫が家にいると子供や孫が喜ぶとおっしゃっていたのには、感動しました。
高齢男性の方は、妻が何かすると、その度にありがとうと感謝を伝えており、何十年連れ添っても、感謝の気持ちを忘れずにいれば、家族は幸せになれるのかなと感じました。
今回の入院で、たくさんの方にご迷惑をお掛けしたこともあり、これからは、お医者様のいうことを聞いて、健康に留意して生活して参ります。
それでは、今月の法エールもよろしくお願い致します。
(代表社員 井上 勉)
公正証書のデジタル化②
前回は、公正証書のデジタル化の概要の一部をご説明しました。
今回は、その続きになります。
今回の改正で、公正証書の原本が電子化されます。これまでは紙の文書として作成され、署名・押印のうえ公証役場で保管されていましたが、
改正後は、原則としてPDF形式の電子データが原本となります。
これにより、これまでは、書面の公正証書に署名・押印をしていましたが、
これからはパソコン画面に表示された電子公正証書上に電子サインをすることになり、公証人も署名・押印ではなく、電子サインと電子署名をすることになります。
なお、依頼者が公証役場に出頭して公証人と対面で公正証書を作成する場合は、公証人がパソコン操作を行うので、上記のように電子サインをする以外、依頼者が行う手続は従前とほとんど変わりがありません。
完成した公正証書の正本や謄本は、従来の紙の書面での受け取りに加えて、電子データ(電子正本・電子謄本)で受け取ることも可能になります。
電子データは、指定されたクラウドサーバーからダウンロードしたり、持参したUSBメモリに保存してもらったりする方法で交付されます。
以上のように、改正後は、電子データが原本となりますが、例外的に紙で原本を作成するものもあります。
例えば、保証意思宣明公正証書のように、法律上、書面での作成や署名押印が必須とされている特定の公正証書については、引き続き紙で原本が作成されます。
また、添付資料が大量で電子化が困難な場合など、やむを得ない事情がある場合も、例外的に紙での作成が認められることがあります。
今回は、デジタル化の概要についてご説明しました。次回は、具体的にリモートで公正証書を作成する手順等をご説明します。
判例紹介
株券発行会社における株券発行前の株式譲渡についての当事者間の効力
(令和6年4月19日第二小法廷判決)
【事案の概要】
A社は非公開会社であり、株券発行会社である。
Y1は、平成16年1月、A社の設立に際して株式200株(以下、「本件株式①」)を引き受け、
株主となった。
その後、Y1は、本件株式①をBに譲渡し、A社の取締役会は当該譲渡を承認した。
Y2は、平成18年5月にA社が発行した募集株式(以下、「本件株式②」)を引き受け、株主となった。
その後、Y2は本件株式②をCに譲渡し、さらに、Cは、本件株式②をDに譲渡し、それぞれ承認決議がなされた。
なお、A社は、今までに株券を実際に発行したことがなかった。
平成29年10月、B及びDは、Y1及びY2が有していたA社に対する株券発行請求権を債権者代位により行使し、自らに対して株券を交付するようA社に請求した。
これに応じて、A社はB及びDに対し、株券を交付した(以下「本件株券①」及び「本件株券②」)。
その後、BがXに対して本件株式①及び本件株券①を譲渡し、DもXに対して本件株式②及び本件株券②を譲渡した。
Xは本件株券①及び本件株券②を実際に所持するに至り、原始的な株主であったY1及びY2との関係において自己が株主であることを確認すべく訴訟を提起した。
【争点】
1.株券発行前になされた株券発行会社の株式の譲渡は有効か否か。
2.株券発行会社の株式の譲受人が譲渡人の株券発行会社に対する株券発行請求権を代位行使できるか否か。
【裁判所の判断】
会社法127条(以下、法令名省略)では、株主はその有する株式を譲渡することができると規定するとともに、株式は意思表示のみによって譲渡することができることを原則とするところ、同法128条は、株券発行会社の株式の譲渡について特則を設け、同条2項は、株券の発行前にした譲渡につき、株券発行会社に対する関係に限ってその効力を否定している。
そして、同条1項は、株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じないと規定しているところ、株券の発行前にした譲渡について、仮に同項が適用され、株券の交付がないことをもって、株券発行会社に対する関係のみならず、譲渡当事者間でもその効力を生じないと解すると、同項とは別に株券発行会社に対する関係に限って同条2項の規定を設けた意味が失われることとなる。
また、株券の発行前にした譲渡につき、上記原則を修正して譲渡当事者間での効力まで否定すべき合理的必要性があるということもできない。
以上によれば、同条1項は、株券の発行後にした譲渡に適用される規定であると解するのが相当であるというべきである。
したがって、株券の発行前にした株券発行会社の株式の譲渡は、譲渡当事者間においては、当該株式に係る株券の交付がないことをもってその効力が否定されることはなく、株券発行前にした株式の譲渡は有効である。
株券発行会社の株式の譲受人は、株券の発行前に株式を譲り受けたとしても、当該株式に係る株券の交付を受けない限り、株券発行会社に対して株主として権利を行使することができないから、当該株式を譲り受けた目的を実現するため、譲渡人に対して当該株式に係る株券の交付を請求することができると解される。
そうすると、株券発行会社の株式の譲受人は、譲渡人に対する株券交付請求権を保全する必要があるときは、民法423条1項本文(平成29年法律第44号による改正前のもの)により、譲渡人の株券発行会社に対する株券発行請求権を代位行使することができると解するのが相当である。
【コメント】
株券発行前に行われた株券の譲渡は、会社との関係では効力を有しません。
よって、本判決は、あくまでも、株券発行前に行われた株券の譲渡について、当事者間でのみ有効であることを示したに過ぎません。
そのため、株券発行会社の株式を譲り受けるにあたっての注意点として、株券が未発行である場合には、譲渡人による株券発行請求の履行状況を確認し、必要に応じて譲渡を受ける前に譲渡人において株券の発行を請求するように求めること、また、株券の交付を受けた後は、株主名簿への名義書換請求を速やかに行い、
会社に対して株主であることを対抗するための手続を完了しておくことが必要です。
コラム
最近の推しは山都町です
今年の初めに、山都町にある清和文楽館へ行きました。
鑑賞したのは、清和文楽✕ O N E P IE C E 「超馴鹿船出冬桜」という漫画ワンピースとのコラボ作品です。というのも、4 才の息子が公民館等でこの作品のチラシを見るたびに、行きたい行きたい! と言うのです。本人はワンピースも文楽も知らないので、落ち着いて観れるのか心配はありました。
最近ではN H K E テレで朝7 : 0 0 と夕方1 7 : 1 0 という子どもがよく観る時間に人形と操演者が一体となった新感覚エデュティメントショウとしてザ・ウェイキー・ショウという番組があります。
日本の伝統芸能である文楽の技法を現代的なエンターテインメントに昇降させた作品と聞きました。同じくEテレでは、「天才てれびくん」でも文楽に子どもたちが挑戦する様子も見ていたので、ぜひ子どもたちと清和文楽を観たいと私も思っていました。
さて、清和文楽館での鑑賞は子どもたちは終始食い入るように観ていて、とても楽しんでいました。
併設する展示館では、人形の頭を自分で動かすことが出来る体験コーナーできれいな雪女の顔が怖い顔に変える体験ができ、今度は雪おんなが観たい! と話していました。
九州中央道の開通により、山都町がとても感じられるようになり、「星のみやすさ」でも日本一ということで、星も観てみたい、と山都町の魅力に魅かれています。
(薄場事務所 井上 史織)
~寄り添う支援で笑顔ふたたび~
当法人は、「NPO法人身近な犯罪被害者を支援する会」との連携を図っています。
ご質問、ご相談等ございましたら、当法人もしくは下記までご連絡ください。
TEL 096-341-8222
FAX 096-341-8333
命の絆・大切に、輝く命・永遠に
当法人は、「一般社団法人命の尊厳を考える会」との連携を図っています。
ご質問、ご相談等ございましたら、当法人もしくは下記までご連絡ください。
TEL 096-337-1251
FAX 096-337-3355
当法人では、継続的な相談にも対応できるよう、顧問契約の締結を行っています。
会社・個人問いません。詳しくはお近くの事務所までお気軽にお問い合わせください。
司法書士法人ヒューマン・サポート法律支援センター
龍田事務所
〒861-8006
熊本市北区龍田3丁目32番18号
TEL:096-327-9989 FAX:096-327-9799
薄場事務所
〒861-4131
熊本市南区薄場町46番地薄場合同ビル内
TEL:096-320-5132 FAX:096-357-5710
健軍事務所
〒862-0910
熊本市東区健軍本町22番2号(101)
TEL:096-360-3366 FAX:096-360-3355
清水事務所
〒861-8066
熊本市北区清水亀井町16番11号
TEL:096-346-3927 FAX:096-346-4044
ホームページアドレスw w w . h s h s c 2 0 0 3 . j p /
