
龍田事務所司法書士 戝津 麻弥
2026年1月20日
公正証書のデジタル化① / 判例紹介:懲戒免職処分取消等請求事件 / 司法書士日記
ご挨拶
新年あけましておめでとうございます。皆様におかれましては、希望に満ちた新春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
当法人におきましては、毎年、年始に年度方針発表会を行っております。
今年の方針は、「縁尋機妙自己実現のため、諦めずに、過去の縁から、より良い縁を尋ねていこう!」です。
縁尋機妙とは、人と人との縁を大切にすれば、不思議なめぐり合わせや思わぬ運が開けてくるというものです。
縁には、血縁や地縁といった生まれた瞬間に定まったものと、道縁といって、生きていく中で、同じ道を志す者同士の縁というものがあります。
この道縁は、それぞれの人が強い意志を持たない限り、広がりも深まりもしません。
江戸時代に将軍家の剣の指南役をした、柳生家の家訓に、「小才は、縁に出会って縁に気づかず中才は、縁に気づいて縁を生かさず大才は、袖すり合う縁をも生かす」というものがあります。
普通の人であれば、運命を変えるような人との出会いを生かさずに見過ごしてしまうのに、成功する人は、そのわずかな縁を大事にして、自らの運命を変えていきます。
当法人は、平成15年に設立し、今年で23年目を迎えます。これまで、たくさんの方と御縁をいただき、身近な法律の専門家として法的サービスを提供することができました。
今年は、今までの御縁も大切にしながら、新たな御縁との出会いを求めて行動して参ります。
「法エール」も発行して17年目を迎えます。法と人、人と社会をつなぐ架け橋となり、読者の皆さまの暮らしに少しでも安心と勇気、そして前向きな力をお届けできる存在であり続けることを願っております。
それでは、今月の法エールもよろしくお願い致します。
(代表社員 井上 勉)
公正証書のデジタル化①
民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を目的として、公正証書のデジタル化を定めた改正公証人法が、令和7年10月1日から施行されました。
これまで書面で作成していた公正証書原本は、原則として電磁的記録(PDFファイル)で作成・保存されることとなりました。
そこで、今回から3回にわたり、公正証書のデジタル化の概要について、ご説明します。
1.オンラインでの嘱託手続き、リモート方式の導入
これまで公正証書の作成を依頼する場合、原則として公証役場へ出向く必要がありましたが、今後はオンラインで完結できるようになります。
マイナンバーカードなどに搭載されている電子証明書と電子署名を付した嘱託情報を、メールなどを利用して送信することにより、公証役場へ行かなくても手続きを進めることが可能になります。
また、公正証書の作成は、公証人が依頼者と直接対面し、本人の意思や内容を確認することが必要になります。
そのため、従来は必ず公証役場に出向くか、公証人に指定の場所まで出張してもらっていました。
しかし、今回のデジタル化により、依頼者の希望があり、公証人が相当と認める場合に限り、ウェブ会議システムを通じたリモート方式での作成ができるようになりました。
リモートで、内容の読み合わせや本人確認を行うことで、自宅や職場にいながら公正証書を完成させることが可能になりました。
これにより、遠方であったり、高齢で公証役場まで行くのが難しい方等には、利便性が増すことになります。
次回も引き続き、デジタル化の概要についてご説明します。
【判例紹介】
懲戒免職処分取消等請求事件
(最高裁令和7年4月17日第一小法廷判決)
【事案の概要】
地方公共団体(Y)が経営する自動車運送事業のバスの運転手として約29年間勤務していた男性職員(X)が、
勤務中に乗客から受け取った運賃のうち、1,000円を着服したこと等を理由とする懲戒免職処分を受けたことに伴い、
一般の退職手当等(1211万4214円)の全部を支給しないこととする処分(以下、「本件処分」とする)を受けたため、
XがYに対し、本件処分の取り消しを求めて控訴した。
【控訴審(原審)】
本件処分は、非違行為の程度及び内容に比して酷過ぎるものであり、
社会観念上著しく妥当性を欠いて裁量権の範囲を逸脱したものとして違法であるとし、Xの本件処分の取消請求を認容した。
Yはこの判決を不服として上告した。
【裁判所の判断】
原判決中Yの敗訴部分を破棄。破棄した部分につき、Xの控訴を棄却。
懲戒免職処分を受けた退職者の一般の退職手当等について、退職手当支給制限処分をするか否か、
するとした場合にどの程度の制限をするかの判断は、Yの裁量に委ねられており、
その判断は、それが社会観念上著しく妥当性を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認めれらる場合に、違法となるというべきである。
本件着服行為は、公務の遂行中に職務上取り扱う公金を着服したというものであって、それ自体、重大な非違行為であり、
Yの経営する自動車運送事業の運営の適正を害するのみならず、同事業に対する信頼を大きく損なうものということができる。
また、Xは乗務の際に、禁止されている電子たばこを1週間に5回も使用しており、勤務の状況が良好でないことを示す事情として評価されてもやむを得ない。
そして、本件着服行為等に至った経緯に特段酌むべき事情はなく、本件着服行為が発覚した後の上司との面談の際にも、
当初は着服行為を否定し、その態度が誠実なものであったということはできない。
したがって、本件処分に係る判断が、社会観念上著しく妥当性を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、
又はこれを濫用したものということはできず、本件処分の取消請求は理由がなく、Xの請求を棄却する。
【コメント】
裁判所は、本件着服行為の被害額が1,000円であり、その被害弁償が行われていることや、Xが約29年にわたり勤続し、
その間、一般服務や公金等の取扱いを理由とする懲戒処分を受けたことがないこと等の事情よりも、公的職務の運営の適正や信頼を重視したものといえます。
また、Yの裁量を広く認めているため、裁量権の逸脱や濫用の判断基準が今後明確化されるのかが問題となり得る判決です。
司法書士日記
最近、度々話題にあがる生成A Iですが、私もアプリを入れてよく利用をしています。
最初にアプリを入れたのは、確か1 年程前だったと思うのですが、そのときは簡単な質問でも誤った情報も多く、利用頻度は少なめでした。
ところが凄まじい勢いでどんどん進化していき、
今では、何か調べたいなと思うときは、まずはA Iに聞いてみようというふうに変わってきました。
文章や画像を作成してくれたり、旅先では道案内もしてくれます。設定によって会話のスタイルも変更できます。
優秀で便利なのですが、課金はしていないため、質問や画像生成には制限があり、時間が経って制限が解除されるのを辛抱強く待ったりもします。
この制限があることで依存しすぎない程度に利用できているなと感じることも。
これからさらに進化していくであろう生成AIですが、AIにも得意不得意はあるため、うまく付き合いながら、あまり依存しすぎない程度で利用していきたいと思います。
(龍田事務所司法書士 戝津 麻弥)
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