ご挨拶
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
さて今月は、バレンタインデーがありましたね。
私の場合、事務員や家族からのプレゼントが主流になりましたが、あまり浮かれてばかりはいられません。
昨年アメリカに端を発した金融不安は全世界を駆け巡り、日本においても企業収入の大幅な減少、雇用不安等の影響を受けています。
「雇用の時代」から「解雇の時代」へともいわれていますが、関与先の皆様におかれましては、「好況良し、不況また良し」(松下幸之助翁の言葉より)という言葉がありますように、逆境をチャンスに、困難を希望に変えていって欲しいと思います。
また、日常生活においても、減給や解雇により家計のやりくりができなくなる人が増加することが見込まれているようです。
身近に多重債務を含め債務の返済等でお悩みの方がいらっしゃいましたら、司法書士等の法律専門家に早めに相談するようアドバイスをしてください。当法人においても随時相談を受け付けています。お近くの事務所にお気軽にお問い合わせください。
それでは、今月号も宜しくお願いします。
(代表社員 大島 隆広)
遺産紛争について2
前回は、相続人及び相続財産について説明いたしましたが、今回は相続財産が確定した場合、相続人にどのように相続されるかについて説明いたします。
相続が開始した場合、法定相続が原則ですが、遺言がある場合は遺言によって相続することになります。遺言がない場合は相続人全員で協議し、遺産を自由に分けることができます。
これを遺産分割協議といいます。
しかし、相続人の中には、
「生前資金援助を受けた人がいる」
「被相続人の財産の維持・増加に特別に寄与した」
等の事情があるかもしれません。そこで民法では「特別受益」や「寄与分」という制度を設けいています。
特別受益(民法第903条)
被相続人から「店の開店資金を援助してもらった」「家を購入する際、資金援助してもらった」等の相続人がいる場合、これらも考慮して遺産分割協議をすることができます。
もし考慮しなかった場合は、他の相続人と不公平になるからです。
被相続人から生前あるいは遺言によって贈与を受けた人を特別受益者、その利益を特別受益といいます。
他の相続人との公平を図るため、遺産に特別受益を加えて各相続人の相続分を計算します。
特別受益者に対してはこの計算で算出した相続分から特別受益分を差し引いた額が相続分となります。
例えば被相続人(夫)の遺産総額1,000万円。相続人は妻と子供(長男・長女)2人。長男が被相続人から店の開店資金として200万円の贈与を受けていたとします。
妻の相続分(1,000万円 + 200万円)× 2分の1 = 600万円
長男の相続分(1,000万円 + 200万円)× 4分の1 – 200万円 = 100万円
長女の相続分(1,000万円 + 200万円)× 4分の1 = 300万円
特別受益の額が相続分の額に等しいとき、またはこれを超えるときは、特別受益者は相続分を受けることが出来ません。しかしその額を他の相続人に返還する必要はありません。
ただし特別受益者がいる場合でも、相続人の話し合いで特別受益を考慮せずに分割することができます。
特別受益の対象となるもの
生計の資本としての贈与(住宅資金、開業資金等)遺言による贈与、婚姻・養子縁組のための贈与
※ 事案によって対象とならないケースもあります。
寄与分(民法第904条の2)
寄与分とは「長男が事業を手伝ってくれたおかげで急成長した」「毎日つきっきりで看護してくれた」等被相続人の財産の維持・増加への特別な寄与をした相続人(寄与分者)に対して、本来の相続分より多く相続させることができる制度です。
寄与分者は相続人以外は認められません。
また寄与分は相続人間の協議によって決め、被相続人の遺産の中から寄与分を控除し、残りの遺産を元に相続人の相続分を決めます。
寄与分者は相続分に寄与分を加えたものが相続分となります。
例えば、被相続人の遺産総額7,000万円、相続人は妻と子供(長男・長女)2人、長男が父親の事業に特別の寄与をし寄与分1,000万円とします。
遺産総額から寄与分を控除
7,000万円 – 1,000万円 = 6,000万円
寄与分を控除した相続財産を相続人で分割
妻の相続分6,000万円 × 2分の1 = 3,000万円
子供の相続分6,000万円 × 4分の1 = 1,500万円
長男の相続分に寄与分額を加える
1,500万円 + 1,000万円 = 2,500万円
各相続人の最終的な相続分は以下の通りです。
妻3,000万円
長男2,500万円
長女1,500万円
次回は遺産分割協議が整わなかった時、次の解決方法として家庭裁判所での手続をご紹介いたします。
判例紹介
商号の使用について
会社や、屋号等によって営業を行う者は、不正の目的をもって他の会社の商号と誤認するような名称や商号を使用することは、会社法8条によって禁止されています。
では、この「不正の目的」とはいったいどういったものを指すのでしょうか?
平成19年6月13日知財高裁判決(平成19年(ネ)第10001号)によれば、「他の会社の営業と誤認させる目的、他の会社と不正に競争する目的、他の会社を害する目的など、特定の目的のみに限定されるものではないが、不正な活動を行う積極的な意思を有することを要すると解される」と述べています。
今回の判決では、訴えられた側の事情として、合併をした結果変更された商号であること、これまでの長い実績があること等、諸々の事情を考慮して、「不正な活動を行う積極的意思はなかった」と判断しています。
とは言うものの、やはり会社の看板になる商号については、新たに会社を設立するにせよ、変更するにせよ、すでに同じ商号あるいは似たような商号がないかどうかをよく調査した上で、決定する必要がありますね。
ただ単に知らなかったでは済まされないこともありますので、どうぞご注意ください。
(健軍事務所)
コラム
最近、知人がドイツ旅行に行ってきました。
ドイツ南部が中心の旅行だったので、ドイツのなかでは暖かい方かな? というくらいの気持ちで出発したのですが、帰ってきて話を聞いてみると、ドイツ南部は山岳地帯(アルプス山脈の端? )でとても寒かったそうです。
やはり、何事も考えているだけでは分からないもので、実際の経験にはかなわないものですね。
なんでもトライしてみて実際に経験することの大切さと、ちょっとだけドイツに行ってきたうらやましさを感じた瞬間でした。
(サッカー好きの私としては、一度本場で観戦したいので・・・)
それと、最近我が家に良いことがありました。頑張っていると良いこともあるものですね。
(薄場事務所 北里佳紀)
スタッフ紹介
今月は、北里佳紀(ヨシキ)さんを紹介します。
平成18年に入社。清水事務所に勤務していましたが、平成20年3月より薄場事務所に異動、登記業務を中心に活躍されています。
性格はとても穏やかで怒っているところは見たことがありません。当法人の良心といえるでしょう。
趣味は映画鑑賞ですが、最近は映画館にいく暇がなく、DVDで済ませることが多いそうです。最近テレビとDVDレコーダーを同じメーカーのものでそろえたところ、一つのリモコンで両方とも操作でき、見ている番組をワンタッチで録画できるなどかなり便利に使えるそうです。
家でDVDを見る楽しみが増えた、と嬉しそうでした。
(清水事務所 明神賢知)
お知らせ
前回に引き続き、今回も裁判員制度についてお知らせします。
裁判員制度は広く国民に参加してもらう制度ですので原則として辞退はできません。
ただし法律や政令で以下の辞退事由を定めており、その事情に該当すると認められる場合辞退することができます。
辞退できる場合
70歳以上の人
地方公共団体の議会の議員(会期中の時)
学生
5年以内に裁判員や検察審査員などの職務に従事した人、3年以内に選任予定裁判員に選ばれた人及び1年以内に裁判員候補者として裁判員選任手続の期日に出頭した人
一定のやむを得ない理由があって,裁判員の職務を行うことや裁判所に行くことが困難な人
(やむを得ない理由としては以下のようなものです)
* 重い病気又はケガ
* 親族・同居人の介護・養育
* 事業上本人が処理しないと著しい損害が生じるおそれがある
* 父母の葬式への出席など社会生活上の重要な用務がある
* 妊娠中又は出産の日から8週間を経過していない
* 重い病気又はケガの治療を受ける親族・同居人の通院・入退院に付き添う必要がある
* 妻・娘の出産に立ち会い,又はこれに伴う入退院に付き添う必要がある
* 住所・居所が裁判所の管轄区域外の遠隔地にあり,裁判所に行くことが困難である
この制度導入に伴って心配されるのが、裁判員になった際に仕事を休んだ時(もしくは有休を利用した場合)勤務先とのトラブルが生じるのではないかということです。
裁判員として必要な休みをとることは法律で認められています(労働基準法第7条)。
また、裁判員として仕事を休んだことを理由に、事業主は解雇などの不利益な扱いをすることを禁止しています(裁判員に参加する刑事裁判に関する法律第100条)。
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