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法エールVol.198

健軍事務所 司法書士 山﨑 順子

2025年7月20日

成年後見制度の見直しに向けた検討 / 裁判例紹介:コインパーキングの車止めに関する損害賠償請求事件 / 司法書士日記



ご挨拶


先日、某大学の教授が書かれた雑誌記事を読みました。内容は、子育てとスマホやタブレットなどのデジタル端末についてでした。

2019年に文部科学省が「GIGAスクール構想」というのを掲げ、小学1年生から中学3年生まで一人に一台のデジタル端末が貸与されるようになりました。


それにより、デジタル端末による授業が行れたり、自宅にデジタル端末を持ち帰り、家庭学習に利用したりするようになりました。

国としては、デジタル端末を子供のうちから使えるようにすることで、学力の向上等を期待していたのではないかと思いますが、

某教授が調査したところ、デジタル端末を家に持ち帰って勉強する時間が長い子供ほど成績が下がっているということでした。


さらに、デジタル端末で何時間も真面目に勉強している子供たちの平均偏差値は、家でほとんど勉強しない子供たちのそれより低かったということです。

実際、デジタル教育の先進国だといわれた北欧では、紙の教科書や紙のノートへの記入など、アナログ教育に戻り始めているということです。

私の子供も小学生で、デジタル端末を毎日持ち帰っていますが、宿題等は紙で出されているので、デジタル端末を利用した家庭学習は行っていませんでした。


しかし、学校では、それを利用した授業が行われているということでした。

デジタル端末での学習は、学力向上には効果がないと判明したわけですが、そうであれば、何らかの対策が必要ではないかと思います。


昔ながらの勉強法を見直してみてもいいのではないでしょうか。

それでは、今月の法エールよろしくお願い致します。


(代表社員 井上 勉)




成年後見制度の見直しに向けた検討



令和7年6月10日、法務省の法制審議会民法(成年後見等関係)部会において、「民法等(成年後見等関係)等の改正に関する中間試案」が取りまとめられました。

これは、現行の成年後見制度の見直しに向け検討された内容で、今後の成年後見制度の改正の方向性を示したものです。

現在、この中間試案については、令和7年8月25日までパブリック・コメントの手続きが実施されています。

そこで、今回より3回にわたり、この中間試案の一部について説明します。


1.そもそもなぜ見直しが行われるのか


現行の成年後見制度は、平成11年に創設され、平成12年より利用されています。

その間、高齢化が更に進み、単独世帯の高齢者の増加等により、成年後見制度に対するニーズの増加・多様化が見込まれ、成年後見制度を更に利用しやすくする必要が生じていました。

また、平成26年に日本が批准した「障害者の権利に関する条約」は、障害者が他の者と平等に自己の意思決定を行う能力を認められる権利がうたわれており、

従来の「本人の保護」に偏りがちだった制度から、本人の意思や選好を最大限尊重する「意思決定支援」へと、制度の基本理念を転換する必要性が強く認識されるようになりました。

そこで、より利用しやすい成年後見制度となるよう見直しが検討され、改正に向けた議論がなされ、今回の中間試案に繋がりました。


2.見直しのポイント


今回の中間試案では、成年後見制度に関し多くの点が検討されています。

そのうち、一部の内容について、現状の問題点と、見直しに向けた検討事項を紹介します。


【法定後見の開始の要件、効果等、法定後見の終了等】


(1)現状


成年後見制度は、不動産の売却や遺産分割協議をきっかけとして利用されることが多いにも関わらず、売却や協議が終わった後であっても、本人の判断能力が回復しない限り、利用をやめることができません。

つまり、多くの場合、本人が亡くなるまで、成年後見制度の利用をし続けることになります。

また、成年後見人には、日用品の購入その他日常生活に関する行為以外の法律行為につき、包括的な代理権を有していることから、本人の自己決定が必要以上に制限されるとの指摘がなされていました。


(2)検討事項


そこで、中間試案では、現行の制度を維持する案の他、法定後見開始の要件として、

①判断能力が不十分である者に対し、

②特定の事項について保護する必要性があり、

③原則として本人の同意を要件として、成年後見人等に本人にとって必要な代理権・取消権を個別に付与するとの案が出されました。


また、法定後見に係る期間についても、法定後見を開始する際に期間を定め、その更新がない限り、期間満了時に法定後見が終了する案や、成年後見人等が定期的に法定後見の要件の存在(必要性等)について報告することを義務づけた上で、要件がなくなったときは法定後見を終了させる案などが出されました。

次回は成年後見人等の解任(交代)等について紹介します。





裁判例紹介



コインパーキングの車止めに関する損害賠償請求事件

(相模原簡易裁判所平成21年(ハ)第136号)


【事案の概要】


B社のコインパーキング内(以下、「本件駐車場」という。)にある車室にAの普通乗用車を駐車していたところ、

Aが出庫の際に精算機にお金を入れ、車止めが下がっているのを確認して出庫しようとした際に突然車止めが上がり、

Aの車の後輪付近のパーツに擦過痕が出来た上、出庫できなくなったとしてAの車を損壊させた事故(以下、「本件事故」という。)について、

AがB社に対し民法717条1項の土地工作物責任による損害賠償請求に基づき、修理費金6万795円及び遅延損害金の支払いを求めたものである。


なお、A及びB社は裁判において、以下の供述をしている。


(Aの供述)駐車料金500円を支払い、車止めが下がったのを確認し出庫しようとしたところ、再び車止めが上がったために出庫できなかった。

そこで、再度料金500円を支払い車止めを下げようやく出庫できた。

ところが、自宅に帰り車を見たら損傷しておりコールセンターへ電話をし、事故があった車室番号を「奥から2番目」と伝えていた。


(B社の供述)Aは再精算の際に更に金500円を支払っているが、本件駐車場は60分で100円、24時間最大で500円であり、再精算であれば金100円でしかありえない。

Aは自分が車を止めた車室ではない番号の清算を行ったのではないか。また、2度目の清算後に車止めは下がったのであるから機械の瑕疵がないことは明らかである。


本件事故の原因は、Aが料金を支払わなかったために車止めが下がっていない状態で車を発進させようとしたか、

あるいは、料金を支払ったが3分以内に出庫しなかったために再度車止めが上昇した後に車を発進させたことにある。


なお、B社はコールセンターから本件事故の車室番号を「2番車室」との報告を受けていた。


【裁判所の判断】


Aは本件駐車場を以前に何度も利用したことがあること、Aが当時飲酒していたわけでもなく、Aが車室番号を押し間違えたとは考え難いこと、

また料金を入れた後、Aが携帯電話で話すなどしてことさら3分以上車の中にいたことを認めるに足る証拠はない。


B社は、事故の連絡があった場合には事故状況を保全し、立会検証し、事故の発生を確認するのが通常と主張しているが、

B社は、本件事故があった車室番号をAが実際に使用した6番ではなく、2番だと信じ込んでしまっており、本件裁判が始まるまで間違いに気づかず、2番車室のみ点検を行っている。


また、B社は2番車室とその近隣の車室の履歴ジャーナル(巻紙の感熱紙で、時刻等が記録される機械の動きを印字するもの)を見ただけで、6番車室の履歴ジャーナルの確認は行っていない。

加えて、B社は、Aから半年以上連絡がなかったという理由で、本件事故の証拠として極めて重要な各車室の履歴ジャーナルを破棄してしまっている。


このようなB社の執った放漫でかつ、拙劣な事故処理のため、Aが使用した6番車室に事故当日、何らかの機械の異常が発生し、誤作動により、清算後に再び車止めが上がったとの疑念が払拭できないから、

本件事故の原因は機械に瑕疵があったと推認するのが相当であると言わざるを得ない。


したがって、B社はAに対し、民法717条により損害賠償責任を負うとするのが相当である。


【コメント】


土地の工作物の設置又は保存に瑕疵(不具合等)があることによって他人に損害を生じたときは、

その工作物の占有者は、民法717条1項により、被害者に対してその損害を賠償する責任を負います。


今回の事例では、Aの車の損傷が、Aが使用した車室の車止めの故障によるものか否かが争点となっており、

結果、B社の損害賠償責任が認められていますが、コインパーキング利用の際は、利用者側も利用方法等には注意が必要です。





司法書士日記


物価高騰が叫ばれる中、コンビニで買うおにぎりやパン、お弁当も、例外ではありません。

少し前まで、おにぎりは1 0 0円くらいの感覚でしたが、今や2 0 0円以内で買える方が少ないように感じます。

毎日、ちょっと高く感じる昼食の購入が負担に感じ、また、できるだけ健康的なものを食べたいと思い、最近は手作り弁当を持参しています。といっても、かなり適当な弁当ですが。

あまり料理が得意でない私の弁当は、おかずは少なめで、ミニトマトで彩りを足す程度。


ただ、ご飯だけは少しこだわりを持っており、玄米に大麦や小豆を混ぜて、できるだけ食物繊維や栄養を取れるように意識しています。

数年前に流行った発酵玄米ご飯にハマったのがきっかけで、白米よりも玄米を食べる機会が多くなりました。腸活もできて、一石二鳥の効果が得られています。

皆さまも玄米食を試してみてはいかがでしょうか?


(健軍事務所 司法書士 山﨑 順子)



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