
健軍事務所司法書士 山﨑 順子
2025年5月20日
職権登記制度 / 裁判例紹介:騒音によるマンション上階への損害賠償請求 / 司法書士日記
法エールVol.196 2025.5.20
ご挨拶
今年のゴールデンウィークは、憲法記念日である5月3日が土曜日と重なり、例年より1日休日が減ったことで、休みが短いと感じる人もいらっしゃったと思います。
実際、今年のゴールデンウィークに海外旅行に行く人は、3、4日で楽しめるアジア周辺を旅行先にする人が多かったということでした。
先日、ある雑誌を読んでいたら、日本は、祝日が多いので、祝日をなくしたら、GDPが数%上がると書いてありました。
本当かどうかはわかりませんが、祝日が多いというのが気になりました。日本というのは、仕事の休みが少ないということで、週休3日を取り入れている企業もあるくらいです。
調べてみると、日本の祝日は16日ありました。
これはG7主要7か国の中で一番多く、アメリカ10日、フランス9日と、圧倒的に祝日は日本が多いです。
しかし、ヨーロッパでは、3,4週間くらい休みをとってバカンスをする人が多いイメージがあります。
これは、祝日ではなく、有給休暇を取得しているようです。フランスでは、有給休暇が年間30日あるということで、フランス人は、30日すべてを消化して休みを取るということでした。
日本では、有給休暇が最長20日付与されますが、有給休暇の消化率は50%くらいということです。
ヨーロッパ人は、有給休暇を取ることに罪悪感はほとんどないということですが、日本人は、罪悪感を感じる方が多いようです。
これは、仕事に対する意識の違いや国民性ではないかと思いますが、勤勉で真面目な日本人が、3,4週間もまとめて休みをとってバカンスをとるというのは、私は想像することができません。
仕事も休みもバランスをとって生活していくことが大切ではないかと感じました。
それでは、今月の法エールよろしくお願い致します。
(代表社員 井上 勉)
職権登記制度
前回は、氏名・住所変更登記の義務化について、少し説明させていただきました。
今回は、職権登記制度についてご説明いたします。
前回ご説明しましたとおり、氏名・住所変更登記が義務化されますが、それと同時に、登記官が他の公的機関から取得した情報に基づき、職権で氏名・住所の変更登記をする制度が導入されます。
これは、所有者(自然人に限ります。法人は別。法人については次回ご説明します。)
が検索用情報の申出を事前に法務局にしておけば、所有者が変更登記の申請をしなくても、登記官が住基ネットを検索し、これに基づいて法務局の方で変更の登記をしてくれるというものです。
検索用情報の申出を済ませておけば、氏名・住所変更登記が義務化された後も、義務違反に問われることがなくなるという便利な制度です。
この検索用情報の申出は、今年の4月21日以降の所有権保存・移転等の登記の申請の際に、併せて申し出ることが必要になりました。
また、今年の4月21日時点で既に所有者として登記簿に記録されている方についても、検索用情報を申し出ることができるようになりました。
では、検索用情報の具体的な内容についてみていきます。検索用情報として申出が必要な情報は以下のとおりです。
①氏名、②氏名の振り仮名、③住所、④生年月日、⑤メールアドレス
メールアドレスは、登記官が職権で氏名・住所変更登記を行うことの可否を所有権の登記名義人に確認するために必要な情報となります。
メールアドレスがない場合には、その旨を記載することになります。
これまで登記申請の際には、登記申請人のメールアドレスを記載することはなかったので、司法書士からメールアドレスを聞き取ることはありませんでしたが、
今後は、所有権保存・移転等の登記のご依頼を司法書士が受ける際には、メールアドレスもお聞きしますので、御協力の程、よろしくお願いいたします。
裁判例紹介
騒音によるマンション上階への損害賠償請求
(東京簡裁平成14年12月6日最高裁ホームページ下級)
【事実の概要】
本件は、Y所有のマンション3階に居住していたXが、4階の真上に住むYの居室から連日騒がしい音を立てられ、
勉強等に集中できなかった等の時間的損失を被り、特に小さな子供の暴れ回ったり跳んだりする騒音による恐怖感や不安感にさいなまれ、精神的苦痛等を受けたとして、
Yに対し不法行為に基づき、慰謝料等の損害賠償の支払いを求めたものである。
【裁判所の判断】
請求棄却
1.XYの双方の証人尋問によれば以下の事実が認められる。
(1)Xは平成11年3月からY所有のマンション3階に一人で入居しており、現在大学院1年生である。通常平日は昼過ぎに学校に行き、夜は19時から22時頃に帰宅し、土日は大体家にいた。YはXの真上に当たる4階に居住している。平成14年3月から子供(孫)2人と母親(被告娘)1人の3人が一緒に住むことになったが、同月下旬には3人は別棟に移ることになり、子供らが遊びに来ても、平日は夕方には帰り、休日は時々来る程度であった。
(2)平成14年のある午前9時頃4階の被告の居室から掃除機の音がし、その後子供の走り回ったり、飛び跳ねたりしていると思われる音が断続的に昼くらいまで聞こえてきた。夕方から夜間、早朝はこれらの音はしない。音が聞こえたのは週に5日くらいであり、音がしない日もあった。
(3)XはYに何回かにわたり苦情を言い改善するように申し入れをしてきたが、依然状況は変わらず、平成14年9月頃退去する決意をし、10月2日退去した。
2.以上の事実に他の証拠及び弁論の全趣旨を総合すれば、Yの居室から子供らの騒ぐ声等の音が発生していたことは明らかであるが、Xがそれらの音を聞く時間帯は、3月の平日は午前中、4月からは休日くらいで、子供らのいる時間とそれほど重なっておらず、日中に比較的短い時間であること、子供らの騒ぎ廻る音とは言っても、Xの健康や生活環境を著しく害するほどの異常な騒音とはいえず、また、状態が長い期間継続していたとは思われないこと、そして、Yは普段子供らに騒音をなるべく立てないようにそれなりの注意を与えていたことなどが認められる。
3.ところで、通常本件のような集合住宅においては、他の居住者の生活の平穏を害する騒音を発生させないようにすることは、当然に守るべきルールである。
そして、一般に他人の権利を侵害するこれらの迷惑行為が違法なものとされるためには、侵害行為の態様、侵害の程度、侵害される利益の内容等の事情を総合的に判断されなければならないが、社会生活上受任すべきとされる範囲内である場合には違法性がないことになり、受忍限度を超えているかどうかについては、通常人を基準として判断すべきで、異常体質であることなど被害者側の事情は、原則として考慮されないものと考えるのが相当である。
4.そこで本件では、上記の考え方を前提とすると、Xの主張する騒音は精神的苦痛を感じるのが通常であるとはいえず、違法性を帯びたものであるとまでは考えられない。
5.以上の事実をもとに判断すると、Xの請求は理由がない。
【コメント】
マンションなどの集合住宅では、他の居住者の生活の平穏を害する騒音を発生させないようにすることは、当然に守るべきルールではありますが、
社会生活上受忍すべき程度である場合には、お互いに受け入れて生活していく必要があります。
もし、争いになったとしても、受忍限度を超えているかどうかの判断基準について、被害者側の事情は、原則として考慮されないと認識しておかなければならないようです。
司法書士日記
先日、ある方の終活の一環として、ご自身が亡くなった後に入る納骨堂の見学に同行しました。
最近では、「墓じまい」をどうするか、といった話題もテレビなどで取り上げられています。
見学したお寺の納骨堂はきれいに整備されており、また、お寺には樹木や花も生い茂り、とても清々しい気持ちがしました。
その方も、その納骨堂を気に入られ、お寺との使用契約を結ばれました。
そのお寺の住職と少しお話をしたところ、そのお寺では今後樹木葬も検討されているようで、
その話が噂となり、まだ正式な募集はしていないものの、既に問い合わせが多くあっているとのことでした。
多くの方が関心を寄せていることに驚きました。
我々司法書士が支援をしている遺言や民事信託、任意後見などといった終活も大切なことですが、
お墓やお寺の納骨堂など、亡くなった後のその方の居場所についても、寄り添った相談ができるようになりたいと思った出来事でした。
(健軍事務所司法書士 山﨑 順子)
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