
清水事務所 福島 直也
2025年4月20日
住所・名前の変更登記の義務化 / 裁判例紹介過剰防衛における行為の一体性 /
コラム チャーハンセットの魅力とは?
ご挨拶
最近、買い物に行ったり、外食をすると、値段が上がっていると感じます。以前から少しずつ上がってきていたのですが、実感として感じるようになりました。
実際、1年前に比べて、キャベツの値段は約3倍になり、米の値段も70%以上上昇しているということです。
今年も、ガソリン価格が上昇し、電気・ガスも政府による価格抑制策が4月に終了すると、電気代、ガス代が上がります。
ある調査会社の試算では、今年の4人家族の家計負担は、去年に比べて約11万円増加するということです。
景気の方も、アメリカのトランプ大統領が、各国への関税を上げるということで、車に関しては、25%の追加関税を課すということです。
車の追加関税によって、日本のGDPは、0.2%下がるという試算がでており、景気がさらに後退する可能性があります。
景気も後退し、物価も上がると、当然国民は、消費を抑えるため、さらに景気が悪くなっていきます。
そうすると、モノを買ってもらうには、物価を下げざるを得なくなってきますので、企業の利益率は低下し、デフレに戻ってしまうのではないかとも思います。
非常に難しい局面を迎えているように感じますが、石破首相には、日本や世界のためにも、リーダーシップを発揮し、よりよい状況に導いて欲しいと願います。
それでは、今月の法エールよろしくお願い致します。
(代表社員 井上 勉)
住所・名前の変更登記の義務化
所有者不明土地とは、不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地や、所有者が判明しても、その所在が不明で連絡がつかない土地のことをいいます。
所有者不明土地は、現在、九州本土の面積くらい日本にはあるということで、社会問題となっています。
この所有者不明土地の主要な発生原因が、相続登記や氏名・住所変更登記の未了にあるということで、それに対応すべく、不動産登記法の改正が行われました。
相続登記の未了への対応として、相続登記の申請が義務化されました。これは、令和6年4月1日から法律が施行されています。
この義務化の内容としましては、相続や遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により不動産を取得した相続人が、自己のために相続(遺贈)があったことを知り、
かつ、その所有権を取得したことを知った日から3年以内に、所有権移転の登記を申請しなければならないというものです(不動産登記法76条の2第1項)。
これに違反した場合は、10万円以下の過料に処せられます。
また、氏名・住所変更登記の未了への対応として、相続登記と同じく、氏名・住所変更登記の申請が義務化されることになりました。これは、令和8年4月1日から法律が施行されます。
この義務化の内容としましては、不動産の所有者が、氏名・住所の変更日から2年以内に変更登記をしなければなりません。
これに違反した場合は、5万円以下の過料に処せられます。
相続登記の義務化は、法律が施行されて運用されておりますが、氏名・住所の変更は、法律の施行が来年になります。
それに先立ち、本年4月21日から、所有権の保存・移転等の登記の申請の際には、所有者の検索用情報を合わせて申し出ることが必要になりました。
これについては、来月詳しくご説明いたしますが、4月21日以降に所有権保存、移転等の登記申請をする際には、メールアドレスをお持ちの方は、
メールアドレスを法務局に申し出ることになりますので、皆様の御協力をよろしくお願いいたします。
裁判例紹介
過剰防衛における行為の一体性
(令和6年7月25日大分地方裁判所判決)
【事実の概要】
被告人と女性Aは、被害者を含む被告人の飲み仲間が開催していた飲み会に参加した。
その後、店内や路上において、酒に酔った被害者が、Aに抱きついて持ち上げる、手や腕をつかんで引き寄せる、頭をなでるなどの行為に及ぶことがあった。
被害者の行動が行きすぎであると感じ始めていた被告人は被害者を手で押してAから遠ざけた。
その後、被害者がAの背後から抱きつき行為に及んだ。Aは、被害者を振りほどこうとしたが振りほどけず、強い拒絶の趣旨で「もういいっちゃ」と言った。
本件抱きつき行為を見た被告人は、いい加減にしろという意味の言葉を発し、被害者を路上に引き倒した。
すると、被害者はAの身体に手を触れたまま路上に倒れ、Aも被害者もろとも倒れる形になった。
被告人は、Aが立ち上がり始めた時、路上に倒れた被害者の腹部を右足で1回蹴り、さらに、立ち上がり終えたAに制止されながらも、仰向けに倒れた被害者の腹部を右足で1回踏みつけた。
被告人は、本件暴行直後、なおも被害者に向かっていこうとしたが、飲み仲間に制止された。
他方、被害者は、いったん立ち上がったものの、再び倒れた。
なお、被害者は、その後搬送先のB病院で、被告人の暴行に伴う外傷性膵臓損傷等の傷害に起因する失血により死亡が確認された。
【判決の判断】
本件抱きつき行為は、女性であるAが、男性である被害者から、その意に反して、振りほどこうとしても振りほどけない程度の強さで抱きつかれたというものであり、
Aの身体を現に制約し、嫌悪感を与えるものであるから、急迫不正の侵害に当たる。
この点、本件暴行に先行する事情として、酒に酔った被害者がAに抱きつくなどの身体的接触が繰り返されていたから、被告人は本件抱きつき行為を予想し得たといえる。
そして、被告人の本件暴行は、短時間に同一場所において行われた主として足による攻撃であり、客観的に連続している。また、被告人は、本件暴行の態様やその直後の態度に照らせば、被害者に対する強い怒りの感情から本件暴行に及んだことがうかがわれるものの、その直前も含めて被害者のAに対する身体的接触をやめさせる行動を繰り返していたこと、現に本件抱きつき行為によるAの身体への侵害が存在していたこと、前記のとおり本件暴行が短時間に行われたものであることを考慮すると、防衛の意思も併存していたといえ、本件暴行を通じてその心理が継続していたと認められる。
以上によれば、被告人の本件暴行は、本件抱きつき行為という急迫不正の侵害に対する一連一体のものであり、同一の防衛の意思に基づく防衛の程度を超えた行為と認めることができるから、過剰防衛としての傷害致死罪が成立する。
刑法第36条
1項急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
2項防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
【コメント】
まず、正当防衛(刑法第36条1項)の要件は、
①急迫不正の侵害があること、
②防衛の意思があること、③防衛行為に相当性があることです。
③の要件を満たさず、防衛の限度を超えた行為が、過剰防衛(刑法第36条2項)です。
①の急迫不正の侵害とは、法益の侵害が現に存在しているか、または間近に押し迫っていることをいうところ、
本判決によれば、被害者による抱きつき行為は、Aの身体を現に制約し、嫌悪感を与えるものであるから、急迫不正の侵害に当たるとされています。
また、②の防衛の意思に関して本判決では、「被害者に対する強い怒りの感情から本件暴行に及んだことがうかがわれる」としつつも、
被告人には「防衛の意思も併存していた」と認定し、防衛の意思を肯定しています。
防衛の意思と攻撃の意思の併存については、昭和50年11月28日最高裁判決において「自己又は他人の権利を防衛するためにした行為と認められる限り、
その行為は、同時に侵害者に対する攻撃的な意思に出たものであっても、正当防衛のためにした行為にあたる」と判示され、併存を認めています。
他方で、路上に仰向けに倒れて無防備な被害者の腹部を踏みつける行為は、③の防衛行為の相当性を逸脱しているのは明白です。
被告人の暴行は、短時間のうちに行われ急迫不正の侵害に対する一連一体のものであり同一の防衛意思に基づく防衛の程度を超えた行為と認められ、過剰防衛と判断されました。
また、行為者が認識していた結果より重い結果が生じた場合に、より重い刑罰が科せられる犯罪を結果的加重犯といいます。
被告人は被害者に対する暴行の故意はうかがえるところ、その故意に基づいて腹部を蹴り・踏みつけるという暴行を行い、
結果として、被害者に外傷性膵臓損傷という傷害を負わせ、その傷害に起因する失血により死亡させているため、被告人の暴行と被害者の死亡に因果関係が認められます。
よって、結果的加重犯として、裁判所は傷害致死罪を認めました。
コラム チャーハンセットの魅力とは?
先日、司法書士試験の模擬試験を熊本市内で受験し、帰りに、あるラーメン屋に行き、ラーメンのチャーハンセットを注文しました。
ラーメンは注文後3分くらいで提供されましたので、チャーハンを待ちながら食していたところ、なかなかチャーハンが来ない。
仕方なくラーメンの替玉をし、食べ終わる寸前でようやくチャーハン登場。もはや、ラーメン「と」チャーハンです。
「チャーハンはまだですか? 」と一言お声掛けすればよかったのですが、シャイな私は、その一言が出ず、
チャーハンセットの魅力を最大限堪能できなかったことを悔やみ、自分の至らなさを省みる今日この頃です。
(清水事務所 福島 直也)
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