top of page

法エールVol.193

健軍事務所 中村太暉

2025年2月20日

借地権 / 裁判例紹介:養子死亡後における養親からの死後離縁申立てを許可した事例 / コラム:寒い日と言えば鍋



法エールVol.193 2025.2.20.



ご挨拶


先日、お笑い芸人をしながらごみ清掃員をされている方の記事を読みました。この方は、お笑い芸人を28年、ごみ清掃員を14年されており、お笑い芸人としてテレビに出演等しながら、ゴミの回収作業をされているとのことです。


この方は、ごみ回収をするなかで気づいたことをツイートされているということで、例えば、高級住宅地では、たばこの吸い殻が少ない。なぜか調べてみたら、年収1000万円を超える人たちの喫煙率は1%以下であるということがわかったということや、ごみの中に、箱に入ったままのゼリーの詰め合わせや、ハムのセット、大量の新品の洋服等が捨ててあったことがあり、もったいないと思うとともに、必要とするものを買っているのではなく、必要ではないものを買わされているのではないかという気がするとか、世の中の人があまり知らないことが述べられています。


この方は、現在、ごみや環境問題に関する講演会等にも取り組んでいるということで、ごみ研究家として知られるようになったとのことです。この方がおっしゃるには、日本のごみの最大の課題は、ごみの最終処分場の問題であるということです。日本各地の最終処分場は、平均するとあと約24年ですべて満杯になってしまうそうです。燃えるゴミは、ゴミを燃やしてもなくなるのではなく、40分の1に減量されるだけで、それは最終処分場に埋められます。結局、燃えるゴミも燃えないゴミと同様、埋められるということです。


最近は、ゴミの分別が進んで、リサイクル等の意識は高まっていますが、ゴミを出さないことも重要で、不必要なものは買わない、買ったら長く使う等、各人がより意識してゴミ問題を考えていかなければならないと感じました。

それでは、今月の法エールよろしくお願い致します。




(代表社員 井上 勉)


(参考文献理念と経営2025年2月号72頁~75頁株式会社コスモ教育出版)





借地権



先月は民法に規定されている賃貸借の説明をしました。今月は、賃借権のなかでも少し特別な「借地権」についてお話をいたします。

まず、「借地権」とは、『建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権』のことです。


この「借地権」は借地借家法という法律により規定されています。民法と借地借家法は一般法と特別法という関係にあり、建物所有を目的とする土地の賃借権については、特別法である借地借家法が一般法である民法より優先して適用されることにになります。


借地借家法は、賃貸借の目的が「建物所有」という、長期間に渡ることが想定される賃貸借契約において、賃貸借関係の安定や賃借人の保護を目的として制定されました。

以下、民法と借地借家法を比較してみます。



・存続期間


【民法】(604条)賃貸借の存続期間は、50年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、50年とする。

【借地借家法】(3条)借地権の存続期間は、30年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。



・契約の更新請求


【民法】規定なし・・当事者間の合意により更新は可(604条2項)


【借地借家法】(5条)借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、…(省略)、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。

ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。


・契約の更新拒絶


【民法】規定なし


【借地借家法】(6条)前条の異議は、借地権設定者及び借地権者が土地の使用を必要とする事情のほか、…(省略)、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。



・対抗力


【民法】(605条)不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その不動産について物権を取得した者その他の第三者に対抗することができる。


【借地借家法】(10条)借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。


次回は、「定期借地権」についてお話いたします。




裁判例紹介


養子死亡後における養親からの死後離縁申立てを許可した事例


(令和3年3月30日大阪高等裁判所決定)




【事案の概要】


A夫婦は平成11年、長女Cの夫DをA家の当主及び同族経営の甲株式会社の後継者とするべく、Dと養子縁組した。D夫婦はA夫婦と同居し、A姓を名乗った。

D夫婦には子がおらず、後継とする目的で、平成14年、A夫婦の二女の三男であるE(平成2年生)と代諾養子縁組を行った。EはA夫婦及びD夫婦とは同居せず、実両親により養育された。


平成15年、Dは甲社の代表取締役社長に、Aは同会長に就任した。平成29年、Eは甲社に入社したが、平成30年にDの死亡を受けて、代表取締役社長となり、Dの葬儀等を喪主として主宰した。

同年、Aも死亡した。EはDの相続により約7400万円の遺産を、Aの相続についてもDを代襲し、約1億2700万円の遺産を得た。その後、Eは、Aの妻B及びCとの間で甲社の経営をめぐって対立し、関係が著しく悪化した。

令和元年、Eは甲社の代表取締役を辞任し、DとAの法要も欠席した。令和2年、Bは自身とDとの養子縁組について死後離縁を申し立てた。


原審は、Bの死後離縁申立ての目的はEからBの推定代襲相続人の地位を失わせることにあるとした上で、推定相続人廃除の手続によらずに推定代襲相続人の地位の消滅を図り、

廃除手続を潜脱する目的でなされた恣意的な申立てであるとして死後離縁申立てを却下した。Bはこれを不服とし、即時抗告した。



【裁判所の判断】


「養子縁組は、養親と養子の個人的関係を中核とするものであるととなどからすれば、家庭裁判所は、死後離縁の申立てが生存養親又は養子の真意に基づくものである限り、原則としてこれを許可すべきであるが、

離縁により養子の未成年の子が養親から扶養を受けられず生活に困窮することとなるなど、当該申立てについて社会通念上容認し得ない事情がある場合には、これを許可すべきではないと解される。」

「本件申立ては、Bの真意に基づく…ことから、社会通念上容認し得ない事情があるかにつき検討する。


…Bと亡Aは、亡Aが引き継いできたA家の財産や甲社の経営を承継させることを目的として、亡Dと養子縁組した…亡Dは、Bと亡Aよりも先に死亡して、その目的を遂げるととができなくなった…。Eは、亡D

の死亡により、Bの代襲相続人の地位を取得した…が、既に、大学を卒業して就労実績もある上、亡D及び亡Aから相当多額の遺産を相続しているものであって、上記代襲相続人の地位を喪失することとなったとし

ても、生活に困窮するなどの事情はおよそ認められない。その上、BとEとの関係は著しく悪化しており、Eは、甲社の代表取締役及び取締役を辞任したことも認められる。上記の諸事情に照らせば…本件申立てに

ついて、社会通念上容認し得ない事情があるということはできない。」


「Eは、本件申立ては、Bの推定相続人からEを廃除することを目的としてされた恣意的なものであると主張するが、BとEとの関係は著しく悪化しており…Bに…Eを自らの相続人から廃除したいという…意図が

あるからといって…社会通念上容認し得ない事情があるとはいえない…。以上によれば、本件申立ては、これを許可すべきである。」



(協議上の離縁等)


第811条6項


縁組の当事者の一方が死亡した後に生存当事者が離縁をしようとするときは、家庭裁判所の許可を得て、これをすることができる。

(推定相続人の廃除)


第892条遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。




【コメント】


今回の事例では、Bの養子であるDがBよりも先に亡くなっているため、もし、Bが亡くなった場合、Dの養子であるEがBの相続人となります。Bとしては、対立が生じたEに相続させたくないという気持ちで、

亡Dとの養子縁組を解消させ、Eを相続人から除外するという意思があったものと思われます。


民法には、相続人の廃除(相続人から除外させる)制度がありますが、廃除するためには、被相続人に対する虐待や重大な侮辱、その他著しい非行があったことが要件となります。


今回の事例では、そこまでのEの行為は確認されていませんので、廃除することはできなかったものと思われます。


なお、養子縁組をするには、養親と養子が親族関係を創設する縁組意思が必要になりますが、近年では、最高裁が節税目的の養子縁組も有効であると判断しており(最判平成29年1月31日)、離縁についても、広

範な目的での縁組解消も認められることになりそうです。




コラム  寒い日と言えば鍋



2月上旬、熊本県では雪が降り、寒い日が続きました。

仕事から帰る途中に近所のスーパーにより食料品を見ていたところ、鍋の素が目に入り、購入してみました。

鍋の素と言えば、沢山の種類があり、どの味を購入しようか悩みに悩んだ結果、鶏がらスープ塩味を購入しました。

自宅に帰宅後、家族全員で食べる鍋は心も体も温まる感じがしました。やはり、寒い日に食べる鍋は格別に美味しいです。

次に時間がある時は一から出汁を取って、鍋料理を作ってみようと思います。

皆様の好みの味は何でしょう。

まだまだ寒い日が続きますが、温かいものを食べて

乗り切りましょう。



(健軍事務所 中村太暉)







~寄り添う支援で笑顔ふたたび~


当法人は、「NPO法人身近な犯罪被害者を支援する会」との連携を図っています。

ご質問、ご相談等ございましたら、当法人もしくは下記までご連絡ください。


TEL 096-341-8222

FAX 096-341-8333




命の絆・大切に、輝く命・永遠に


当法人は、「一般社団法人命の尊厳を考える会」との連携を図っています。


ご質問、ご相談等ございましたら、当法人もしくは下記までご連絡ください。


TEL 096-337-1251

FAX 096-337-3355




当法人では、継続的な相談にも対応できるよう、顧問契約の締結を行っています。

会社・個人問いません。詳しくはお近くの事務所までお気軽にお問い合わせください。




司法書士法人ヒューマン・サポート法律支援センター


龍田事務所


〒861-8006

熊本市北区龍田3丁目32番18号

TEL:096-327-9989 FAX:096-327-9799


清水事務所


〒861-8066

熊本市北区清水亀井町16番11号

TEL:096-346-3927 FAX:096-346-4044


薄場事務所


〒861-4131

熊本市南区薄場町46番地薄場合同ビル内

TEL:096-320-5132 FAX:096-357-5710


健軍事務所


〒862-0910

熊本市東区健軍本町22番2号(101)

TEL:096-360-3366 FAX:096-360-3355


ホームページアドレスw w w . h s h s c 2 0 0 3 . j p /

bottom of page