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法エールVol.185

龍田事務所 伊藤峰治

2024年6月20日

登記懈怠に基づく過料 コラム ―プラネタリウム―




ご挨拶


先日、ネットニュースを見ていたら、人手不足倒産が、今年5月に31件発生し、前年同月から倍増、後継者難倒産は、同月に48件発生した、と報じていました。

私も、社員が辞めたのでもう会社を清算させようと思うとか、後継者もいないので、私の代で会社はしめるといったことで、登記手続のご依頼をうけることがあります。

人材難の時代を迎え、求人の募集をしてもなかなか応募がなく、業務を縮小せざるを得ないという会社もあり、人の問題が大きく会社にのしかかっています。

これは、少子化の影響が大きいのですが、厚生労働省が公表した2023年の人口動態統計では、1人の女性が生涯に産む子どもの推計人数を示す合計特殊出生率は1.20で、22年の1.

26を下回り、過去最低を更新。低下は8年連続。東京は0.99で、全国で初めて1を割り込んだ、ということでした。厚労省の担当者は、経済的な不安定さ、仕事と子育ての両立の難しさ

など、さまざまな要因が複雑に絡み合っている、と背景を分析。コロナ禍の影響も少なからずあったとして、「少子化の進行は危機的な状況にある」との認識を示しました。

国は少子化対策を行い、これから少しずつ結果が現れてくると思いますが、会社としては、それを待つ時間はありません。会社を継続させるのであれば、様々な工夫をしていかなければなら

ず、業務の効率化やアウトソーシングの活用等、社員さんが行う業務を減らしていく必要があります。それが難しい場合は、最終的に会社を売却するという選択肢もあります。私の周りの会社

でも、今だったらこの値段で自分の会社は売れるので、時機を見て売却したいという方がいらっしゃいます。

当法人におきましても、会社の事業承継等、様々なご相談をお受けすることは可能ですので、お気軽にご相談ください。

それでは、今月の法エールよろしくお願い致します。


(代表社員井上勉)




登記懈怠に基づく過料



前回、申請義務の詳細をご説明しました。

今回は、登記懈怠に基づく過料についてご説明いたします。


1.申請義務違反と過料


正当な理由がないのに相続登記の申請義務を怠ったときは、10万円以下の過料の適用対象となります(不動産登記法第164条第1項)。

登記官は、相続登記の申請義務の違反を把握した場合、違反した者に対し、相当の期間を定めて相続登記の申請をすべき旨を催告します。催告したにもかかわらず、正当な理由なくその

期間内にその申請をしなかった場合、管轄の地方裁判所にその事件を通知するものとされています(不動産登記規則第187条第1号)。


2.登記官が申請の催告を行う場合


登記官は、次の(1)又は(2)を端緒として、相続登記の申請義務に違反したと認められる者があることを職務上知ったときに限り、申請の催告を行うものとされています。

(1)相続人がある不動産について遺言の内容に基づく所有権移転登記の申請をしたが、その遺言書には別の不動産も登記申請した相続人に相続させる旨が記載されていたとき

(2)相続人がある不動産について遺産分割の結果に基づく相続登記の申請をしたが、その遺産分割協議書には別の不動産も登記申請した相続人が相続する旨の記載がされていたとき


3.正当な理由


相続登記の申請義務の履行期間内において、以下のような事情が認められる場合には、それをもって一般に「正当な理由」があると認められます。

もっとも、これらに該当しない場合においても、個別の事案における具体的な事項に応じ、登記の申請をしないことについて理由があり、その理由に正当性が認められる場合には、「正当な理由」があると認められ、過料通知は行われません。


(1)相続登記の義務に係る相続について、相続人が極めて多数に上り、かつ、戸籍関係書類等の収集や他の相続人の把握等に多くの時間を要する場合


(2)相続登記の義務に係る相続について、遺言の有効性や遺産の範囲等が相続人等の間で争われているために相続不動産の帰属主体が明らかにならない場合


(3)相続登記の義務を負う者自身に重病その他これに準ずる事情がある場合


(4)相続登記の義務を負う者が配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第2項に規定する被害者その他これに準ずる者であり、その生命・心身に危害が及ぶおそれがある状態にあって避難を余儀なくされている場合


(5)相続登記の義務を負う者が経済的に困窮しているために、登記の申請を行うために要する費用を負担する能力がない場合


以上、3回にわたり相続登記の義務化についてご説明させていただきました。ご不明な点等

ございましたら、お気軽に当事務所にご相談ください。



【判例紹介】



業務上横領被告事件


―刑法65条2項適用後の公訴時効期間を定める基準―

(令和4年6月9日最高裁判所第一小法廷判決)



【事件の概要】


被告人は、株式会社甲(以下「甲社」という)の経理業務を担当していたAと共謀の上、平成24年7月5日、情を知らない職員に指示して、甲社の預金2154万円余りを横領したとして、令和元年5月22日に業務上横領罪で公訴提起された。なお、被告人はかつて甲社の代表取締役であったが、事件当時には既に退任しており、業務上の占有者たる身分のない者であった。

第一審は、被告人は、刑法65条1項(以下、法令名省略)により業務上横領罪の共同正犯に該当するが、業務上占有者の身分がないので、65条2項により単純横領罪の刑を科されることとなり、その上で、公訴時効は、科される刑である単純横領罪を基準として定められるとした。これに対し、第二審は、65条の適用方法は第一審と同じであるものの、公訴時効期間は、成立した犯罪である業務上横領罪を基準として定められるとした。これに対して、被告人が上告した。


*刑法第65条


第1項犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。

第2項身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。


【判決の要旨】


「公訴時効制度の趣旨は、処罰の必要性と法的安定性の調和を図ることにあり、刑訴法250条が刑の軽重に応じて公訴時効の期間を定めているのも、それを示すものと解される。そして、処罰の必要性は、犯人に対して科される刑に反映されるものということができる。本件において、業務上占有者としての身分のない非占有者である被告人には65条2項により252条1項の横領罪の刑を科することとなるとした第一審判決及び原判決の判断は正当であるところ、公訴時効制度の趣旨等に照らすと、被告人に対する公訴時効の期間は、同罪の法定刑である5年以下の懲役について定められた5年であると解するのが相当である。」


【コメント】


公訴時効とは、犯罪が終わった時から一定期間を過ぎると犯人を処罰することができなくなる(検察官が公訴提起することができなくなる)という制度です。

判例・通説は、65条1項にいう「犯人の身分によって構成すべき犯罪行為」とは、身分があることによってはじめて成立する罪、つまり真正身分犯を指し、2項の「身分によって特に罪の軽重があるとき」とは、身分があることによって法定刑が加重・軽減される犯罪、つまり不真正身分犯を指します。これに即して考えると、横領罪は、他人の物の占有者を主体とする真正身分犯ですが、これに業務者という身分が加わると、業務上横領罪として単純横領罪より重い刑で罰せられますので、不真正身分犯です。そして、業務上横領罪に加功した業務上の占有者たる身分のない者は、65条1項により業務上横領罪の共犯とし、同条2項により単純横領罪の刑が科されるとするやり方は、判例上すでに確立していて、本件も同じ扱いがされています。

さらに、本件の山口厚裁判官は公訴時効の基準となる刑について、次のように補足しています。「65条2項は身分がないことにより認められる処罰の必要性の相違を科し得る刑に反映させるための規定で」あり、「法律上の軽減事由を定めるためのものではない・・・」「同項適用後の処罰の必要性が反映された刑によって公訴時効期間を定めるのが相当である。」

仮に非占有者に業務上横領罪の法定刑を基準に公訴時効期間を決めてしまうと、それは7年となる一方、占有者が業務上占有者に加功する場合には、単純横領罪を基準に5年となり、非占有者より重く罰せられるべき占有者の方が非占有者より公訴時効期間が短くなってしまい、均衡を欠きます。

公訴時効の期間は科される刑を基準として定めるという本判決では、本件の犯罪行為が終了した平成24年7月5日から起算して、公訴提起がされた令和元年5月22日には、被告人の公訴期間である5年を経過し、公訴時効は完成していたことになります。



コラム ―プラネタリウム―


先日、数十年ぶりに熊本市中央区古京町にある熊本博物館に行ってきました。

久しぶりにプラネタリウムでも鑑賞しようかと博物館へ。入ってみるときれいなエントランスに驚かされました。

昔からある博物館なので、今はもうだいぶ年季が、、、なんて思っていたのですが、平成3 0 年にリニューアルしてたのですね。奥に進み常設展示を見てまわってみる

と金峰山や江津湖など熊本に暮らす動物・昆虫など標本がぎっしりで、これらも一つ一つ見ているとこんなに多くの生物がいるんだと「大人の学び直し」が出

来た気になりました。次はいよいよプラネタリウム、座るシートも心地よく、油断すると無意識の世界に誘われてしまう・・・睡魔をなんとか振り払って、春の熊本の星空、そして星座の動きなど、たくさんの夜空の星を堪能することが出来ました。

大人も子供も学びがあって、そしてプラネタリウムに癒されて、皆様もご家族でいかがでしょうか。


(龍田事務所 伊藤峰治)



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