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法エールVol.165

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San Francisco, CA, USA

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ご挨拶

About the Role

判例紹介
最高裁判所裁判官国民審査における在外国民の審査権行使制限の合憲性
最高裁判所大法廷 令和4年5月25日判決

事案の概要
本件は、日本国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民(以下「在外国民」という。)に最高裁判所の裁判官の任命に関する国民の審査(以下「国民審査」という。)に係る請求権の行使が認められていないことの適否等が争われた事案である。



裁判所の判断
国民審査の制度は、国民が最高裁判所の裁判官を罷免すべきか否かを決定する趣旨のものである。最高裁判所の地位と権能に鑑み、この制度を設け、主権者である国民の権利として審査権を保障しているものである。そして、審査権が国民主権の原理に基づき憲法に明記された主権者の権能の一内容である点において選挙権と同様の性質を有することに加え、憲法が衆議院議員総選挙の際に国民審査を行うこととしていることにも照らせば、憲法は、選挙権と同様に、国民に対して審査権を行使する機会を平等に保障しているものと解するのが相当である。

それゆえ、国民の審査権又はその行使を制限することは原則として許されず、審査権又はその行使を制限するためには、そのような制限をすることがやむを得ないと認められる事由がなければならないというべきである。そして、そのような制限をすることなしには国民審査の公正を確保しつつ審査権の行使を認めることが事実上不可能ないし著しく困難であると認められる場合でない限り、上記のやむを得ない事由があるとはいえない。

そして、具体的な方法等のいかんを問わず、国民審査の公正を確保しつつ、在外国民の審査権の行使を可能にするための立法措置をとることが、事実上不可能ないし著しく困難であるとは解されない。

したがって、国民審査法が在外国民に審査権の行使を全く認めていないことは、憲法15条1項、79条2項、3項に違反するというべきである。

(憲法)

憲法15条1項
公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

憲法79条2項
最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。

憲法79条3項
前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。



コメント
在外日本人の国政選挙の選挙権については、平成17年に在外日本人に選挙権が認められていないことに対する違憲判決がなされ(平成13年(行ツ)第82号)、翌平成18年に公職選挙法の改正がなされました。

昨今の情報通信技術の飛躍的な向上を鑑みれば、在外国民の審査権の行使は、技術的にも可能であると思われます。選挙権の行使と同様に国民に対して審査権を行使する機会を平等に保障すべきことを憲法上の要請とした点は重要な意義を有すると思います。

Requirements

  • 先日、家族でキッザキア福岡に行ってきました。キッザニアとは、子供に職業体験をさせるテーマパークで、全国に4箇所あります。福岡は、今年の7月にオープンしたばかりということで、施設は新しく綺麗でした。キッザニア福岡では、60種類近くの職業体験ができます。宇宙飛行士、消防士、医者、銀行員等々、実際に模擬施設があり、銀行員であればお金をかぞえたりと、実際に体験しながら仕事を学ぶことができます。残念ながら、法律関係の仕事はありませんでした。あれば一番に体験させたかったのですが。

    職場体験している子供たちは、緊張しながらも興味深々で取り組んでいました。様々な仕事が社会にあることを知り、仕事に興味を持つことで、こういう仕事につきたいと夢や希望をもってもらえれば嬉しく思います。

     

    それでは、今月の法エールよろしくお願い致します。

    (代表社員 井上 勉)

About the Company

~実質的支配者リストの創設③~
これまで2回にわたり、実質的支配者リスト制度について説明しました。今回は、実質的支配者リストの再交付の手続きと、その他主な内容についてQ&Aでご説明します。



Q.実質的支配者リストの写しが追加で必要になりました。再交付を受けることは可能ですか。
A.実質的支配者リストの写しの交付は、実質的支配者リストの保管の申出の際に限らず、後日、再交付の申出ができます。この場合に、再交付の申出ができるのは、申出をした株式会社に係る最新の申出に基づく実質的支配者リストの写しとなります。

ただし、保存されている実質的支配者リストに記載されている会社の商号、本店又は作成者である会社の代表者が変更されている場合には、再交付の申出をすることができません。この場合には、新たに実質的支配者リストを作成して、申出をすることになります。

また、実質的支配者リストに記名した代表者が死亡した場合、その相続人から、再交付の申出をすることもできません。実質的支配者リストの写しが必要な場合には、現在の代表者が記名した実質的支配者リストを作成し、新たな申出をすることとなります。

なお、申出をした株式会社に複数の代表者がいる場合において、実質的支配者リストに記名した代表者が再交付の申出時において現任の場合には、他の代表者からも再交付の申出をすることができます。



Q.議決権の算定に当たって、自己株式はどうなりますか。
A.自己株式には、議決権はありません。そのため、実質的支配者を判断する上での議決権の算定に当たって、自己株式は、議決権の総数及び保有数から除くこととなります。



Q.法人が実質的支配者となる場合はありますか。
A.実質的支配者リスト制度の対象となる実質的支配者とは、犯収法施行規則第11条第2項第1号の自然人(同条第4項の規定により自然人とみなされるものを含む。)に該当する者をいいます。

「自然人とみなされるもの」に該当するのは、国、地方公共団体、人格のない社団又は財団、上場会社等及びその子会社です(犯収法第4条第5項、犯収法施行令第14条、犯収法施行規則第11条第4項参照)。そのため、例えば、上場会社の子会社が、甲株式会社の議決権のある株式の50パーセント超の株式を有する場合、当該子会社は甲株式会社の実質的支配者に該当することとなります。



Q.実質的支配者リストに記載する情報は、いつ現在のものを記載すればよいですか。
A.申出日から1か月以内の情報を記載することとなります。

(以上、法務省ホームページより)



以上、実質的支配者リストの制度についてご説明いたしました。

なお、実質的支配者リストの作成方法や添付書面等については、法務省ホームページに掲載されていますので、そちらもご参照下さい。

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